通院と受診の違いとは？正しい意味と使い分けをわかりやすく解説

医療に関する言葉の中でも「通院」と「受診」は、よく使われるものですが、いざ意味を説明しようとすると迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

どちらも病院やクリニックに行く行為を指しますが、実は「通院＝継続的に医療機関へ通うこと」「受診＝医師の診察を受けること」という違いがあります。

この記事では、通院と受診の定義から、日常生活やビジネス文書での使い方、さらには医療現場で役立つ関連用語までをわかりやすく解説します。

言葉の違いを正しく理解すれば、医療機関とのやり取りで誤解を防ぎ、相手に安心感を与えることができます。

「この場合は通院？それとも受診？」と迷ったときの参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

通院と受診の違いとは？

「通院」と「受診」は、どちらも医療に関する用語ですが、その意味には明確な違いがあります。

ここでは、まず両者の定義を整理し、どのように使い分けるのが正しいのかを見ていきましょう。

通院は「定期的に医療機関へ通うこと」

「通院」とは、定期的に、あるいは必要に応じて医療機関に通う行為を指します。

たとえば、糖尿病や高血圧など慢性的な病気を抱える人が、薬の処方や経過観察のために定期的に病院へ行くケースが典型例です。

つまり通院は長期的に治療を続ける行為を表す言葉だといえます。

受診は「医師の診察を受けること」

一方の「受診」は、医師の診察を受ける行為そのものを指します。

これは一度きりの風邪の診察でも、定期的な健康診断でも使える幅広い言葉です。

受診＝診察を受ける行為そのものと覚えるとわかりやすいでしょう。

両者の使い分けのポイント

簡単に整理すると以下のようになります。

用語	意味	例
通院	定期的に医療機関に通うこと	糖尿病の治療のために毎月通院している
受診	医師の診察を受けること	風邪をひいたので病院を受診した

このように通院＝継続、受診＝診察と覚えると混乱せずに使い分けられます。

通院の具体的な意味と使用例

ここでは「通院」という言葉をさらに深掘りして、実際にどのような場面で使われるのかを解説します。

身近な例を交えながら、正しい日本語表現としての使い方を確認していきましょう。

慢性疾患の治療における通院

糖尿病や高血圧などの慢性疾患では、長期的な治療が必要となります。

患者は薬の処方や血液検査、生活習慣の確認のために定期的に病院へ行く必要があります。

このような定期的な医療機関への訪問こそが「通院」です。

リハビリや経過観察での通院

骨折や手術後のリハビリも通院に含まれます。

また、治療が終わったあとでも、経過観察のために数か月ごとに通院するケースも少なくありません。

ここでも入院ではなく、自宅と病院を行き来する点が大きな特徴です。

通院を表す正しい日本語表現例

「通院」という言葉は、日常会話でもビジネス文書でも幅広く使えます。

例文をいくつか挙げてみましょう。

状況	例文
病気の治療	彼は心臓病のために週1回通院している。
リハビリ	肩のリハビリで整形外科に通院しています。
家族の状況	祖母は定期的に通院して血圧をチェックしてもらっています。

このように「通院」は継続性のある医療行為を表す言葉として使われます。

受診の具体的な意味と使用例

「受診」は、医師の診察を受ける行為そのものを指す言葉です。

一度きりでも定期的でも使える点が特徴で、健康診断や予防接種にも当てはまります。

ここでは、受診の具体的なケースや、正しい表現方法を見ていきましょう。

症状が出たときの受診

体調に異変を感じたとき、多くの人が病院やクリニックを訪れます。

この行為を「受診する」と表現します。

たとえば「風邪をひいたので内科を受診した」などが典型的な使い方です。

受診は一度だけの診察にも使える点がポイントです。

健康診断や予防接種での受診

症状がなくても、健康診断や予防接種を目的に医療機関を訪れることがあります。

これも立派な「受診」に含まれます。

「診察を受ける」行為であれば、必ず受診という表現が使えるのです。

受診の表現とビジネス文書での使い方

日常会話だけでなく、会社や学校からの通知文などでも「受診」という言葉はよく使われます。

たとえば「社員健診を必ず受診してください」といった案内は、その代表例です。

状況	例文
風邪の診察	体調不良のため、午前中に内科を受診しました。
健診	毎年の健康診断を会社指定のクリニックで受診しています。
予防接種	インフルエンザ予防接種を小児科で受診しました。

このように「受診」は診察を受ける行為を表す便利な表現として広く使われています。

「通院」と「受診」に似た関連用語

「通院」と「受診」は似ているため混同されがちですが、医療現場では他にも似た表現が存在します。

ここでは特に誤解しやすい用語との違いを整理していきましょう。

「診察」との違い

「診察」とは、医師が患者を実際に診る行為そのものを意味します。

患者側の行為が「受診」、医師側の行為が「診察」と理解すると混乱しません。

受診と診察は表裏一体の関係です。

「入院」との違い

「入院」は、病気やけがの治療のために一定期間医療機関に滞在することです。

一方で「通院」は、その日のうちに帰宅することが前提の治療スタイルを指します。

入院と通院は、医療の受け方として正反対のイメージです。

「外来」「健診」との違い

「外来」は、入院せずに診察や治療を受ける部門を意味します。

また「健診（健康診断）」は、病気の有無をチェックする検査全般を指します。

健診を受けることは「受診する」と表現できますが、「通院する」とは言いません。

用語	意味	患者側の行為
診察	医師が症状を確認すること	受診と対応
入院	医療機関に滞在して治療を受けること	通院とは対照的
外来	入院せずに診察や治療を受ける部門	通院患者が利用する
健診	体の健康状態をチェックする検査	受診という表現を使う

このように関連用語も押さえておくと、医療機関とのやり取りがよりスムーズになります。

通院と受診の違いを理解するメリット

「通院」と「受診」を正しく使い分けられると、医療機関とのやり取りや日常生活の中で役立つ場面がたくさんあります。

ここでは、その具体的なメリットを3つに整理して紹介します。

医療機関とのやり取りで誤解を防ぐ

病院に電話をして「受診したい」と伝える場合と「通院している」と伝える場合では、意味が異なります。

前者は一度診察を受けたいというニュアンス、後者は継続的に治療を受けているニュアンスを持ちます。

正しい言葉選びは、医療機関に自分の状況を正確に伝えるための大切な手段です。

正しい言葉遣いで安心感を与える

「通院」と「受診」をきちんと区別して話すと、相手にわかりやすく伝わります。

医療関係者や職場の上司に状況を説明するときにも、正確な言葉を使える人は信頼感を与えやすいです。

曖昧な言葉遣いは誤解を生みやすいので注意しましょう。

医療事務や看護の現場で役立つ知識

医療現場で働く人にとっても、この違いは重要です。

カルテや報告書などでは「通院中」「初診受診」など正しい表現を使い分ける必要があります。

日常生活だけでなく、医療に関わる仕事でも必須の基礎知識といえます。

メリット	具体例
誤解を防ぐ	「受診したい」と伝えて診察予約がスムーズに進む
安心感を与える	「通院中」と伝えることで継続治療の状況が理解されやすい
仕事で役立つ	医療事務でカルテに正しい用語を記録できる

まとめ｜通院と受診の違いを正しく押さえよう

ここまで「通院」と「受診」の違いについて整理してきました。

通院は継続的に医療機関に通うこと、受診は医師の診察を受けることを意味します。

両者の違いを正しく理解することで、日常生活や医療現場でのコミュニケーションがよりスムーズになります。

最後に、ポイントを簡単に振り返っておきましょう。

用語	意味	特徴
通院	定期的に医療機関へ通うこと	継続性・慢性疾患やリハビリに多い
受診	医師の診察を受けること	一度きりでも定期的でも使える

通院＝継続、受診＝診察と覚えておけば、言葉の使い分けで迷うことはなくなるはずです。